@ アメリカの大リーグは、2022年から「ロボット審判」を導入し、ピッチャーのストライク・ボールをコンピュータが判定するという衝撃的なニュースが飛び込んできました。「球審」は今まで通り捕手の後ろに立ちますが、ストライク・ボールの判定は「トラックマン・コンピューター・システム」が行います。本塁後方と本塁上方に設置されたドップラー・レーダー(周波数の変位を観測することで移動速度などを測定できる機器)が、1球ごとに打者の体格などに対応して、立体的にストライク・ゾーンを測定。「球審」が装着したイヤホンに判定を伝え、「球審」がストライク・ボールをコールするというものです。
A ロボット審判と言っても、AIが判定を下す訳ではありません。主審はiphoneを通じて「ロボット審判」の情報を受け取り、それを参考にしてジャッジを下します。「ロボット判定(電子判定)」とは異なるコールをする権利もあります。
B ロボット審判は、ベースボールの百数十年にわたる伝統を覆すものです。しかし、いまや微妙な判定については、瞬時に「リプレイ画像」が球場内のビデオボードや各家庭へのテレビ中継で繰り返し流される時代です。長年、「審判のコールが最終にして絶対」という伝統も、2008年のホームラン判定でのビデオリプレイ参照開始や、2014年のチャレンジシステムの導入により終焉を迎えています。近い将来、MLBでロボット審判が主流になると判定の精度が向上します。その結果、試合中の無駄な抗議が減ると思われます。